【読書】原田マハ『本日は、お日柄もよく』
今日はお休みでした。わりとずっと本を読んでいました。
まずあらすじから。
OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された!目頭が熱くなるお仕事小説。
2009年の政権交代時の衆院選をネタ*1に、「スピーチライター」という耳慣れない職業にスポットを当てた小説です。活躍の場はイベントや披露宴、選挙選にいたるまで幅広く、スピーチの原稿作成にとどまらず、コピーライティングやブランディングも担当する「スピーチライター」(スピーチコンサルタント)としてのこと葉の成長を描いています
実際目頭が熱くなるお仕事小説でしたはい。
この小説の魅力の1つとして、作中劇ならぬ作中スピーチとしてばしばし登場する名言・格言があります。たとえば、
「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している」
これは作中オリジナルみたい。想像してみるといい、って、いいですね。
でも、個人的には一番はこれかなぁ。
「愛せよ。人生において良きことはそれだけである」
これは出典があるようで、ジョルジュ・サンド(フランスの女流作家で、ショパンの恋人)の名言のようです。
名言・格言というのは本当に強くて、ジョルジュ・サンドがもともとどういう文脈でこれを言ったか分かりませんが、スピーチとしてこの言葉だけを抜粋すると、ぴったりと聞く人それぞれの状況や心理に呼応しますよね。シンプルであればあるほど、多くの人に呼応し、各人にとっての「まるで私に向かって言っているような言葉」になる。だから目頭も熱くなるし、そんな表現を考え出すために日々工夫を重ねる人がいる、ということに心を打たれます。
他にもいろいろと本を読んだりして、充実した休日でした。
今日はまた長くて修羅場な1日なんだよな~(^^;
全国の日曜出勤のお仲間の皆さん、頑張りましょうね~。
以上はねゆきでした。