はねゆきノート

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【読書メモ】名越康文『自分を支える心の技法』

名越康文氏『自分を支える心の技法』を読みました。

副題は「対人関係を変える9つのレッスン」。精神科医の書いた本です。

 

前半は、「怒り」の起源について。
・人間関係を変えるには、一瞬にして移り変わる自分の心を制御する必要がある。
・人間にとっての原初的なコミュニケーションは「怒り」(赤ちゃんが泣きわめく)
・日本人は「文脈なく怒っている人」に弱い。

 

後半は、「怒り」を消す方法について。
怒りを消し、心を落ち着かせる方法について多くの実践例が書かれていました。

オススメは、「朝、熱いシャワーを浴びる」エクササイズです。
朝は1日の心の基準点を決める大事な時間ですが、一方でぼーっと暗い考えに囚われがちな時間でもあります。そこで、朝なるべく早く覚醒するために、熱いシャワーを浴びます。

 

ポイントは、
①風邪っぽいとき、調子が悪いときに、熱いシャワーを背骨にかける
②目をつぶって身体の状態を観察しながら、頸椎から胸椎、腰椎、尾骨まで順にかける
③熱さをあまり感じないところがあれば、重点的に温める。

 

自分もこれを読んでから取り入れていますが、
順番に熱いシャワーを当てていくと、確かに背中や肩などに、熱さをあまり感じないポイントがあります。そこを重点的に、熱さを感じるまで温めていくと、なんだか全身が一緒に温まるようで気持ち良いです。
何より手軽に実行できるのがいいですよね。ちょっと調子が悪いときにもオススメです。
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非常に示唆の多い本でしたが、個人的に最も心に残ったフレーズは、

 

「多かれ少なかれ、人間は心の中に地獄を飼っています」(レッスン3より)

 

言いえて妙、と思いました。
そうなんですよね。人にはそれぞれ業というか、病というか‥そこまでいかないまでも、微妙な屈折があって。
環境や人間関係が変わっても、何年か経つと、それが形を変えて現れてきますよね。
地獄から逃げたつもりが、逃げた先でも同じ地獄が再現される…というか。

ただ今は、「だからと言って『逃げても(環境を変えても)仕方ない』ということにはならないんじゃないか」とは思っています。
それについては、また機会があれば、書こうと思います。

以上、はねゆきでした。