はねゆきノート

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【読書】「ザ・ワーク」/「人間は自分が考えているような人間になる」

最近読んだ本の話をしたいのです。

なぁなぁなんですけれど、してもいいでしょうか(笑)


『ザ・ワーク』

まずはこちら。『ザ・ワーク』です。

ザ・ワーク 人生を変える4つの質問

ザ・ワーク 人生を変える4つの質問

この本の前提は「起きていることはすべて正しい」ということ。
つらさ・苦しさ・悪感情などをもたらすのは、あくまでも現実ではなく、誤った認識・考え方であるとし、「誤った考え」を手放すための方策を述べた本です。

自己啓発書を読んでいると、「起きていることはすべて正しい」「悩みや苦しみなどは、現実そのものではなく現実に対する認識から生まれる」という考え方がたびたび出てきますよね。

たとえば、

「私たちは自分の身に起こったことで傷つくのではない。その出来事に対する自分の反応によって傷つくのである。もちろん、肉体的に傷ついたり、経済的な損害を被ったりして、つらい思いをすることもあるだろう。しかしその出来事が、私たちの人格、私たちの基礎をなすアイデンティティまでも傷つけるのを許してはいけない」(『7つの法則』)
「人は誰しも、客観的な世界に住んでいるのではなく、自らが意味づけをほどこした主観的な世界に住んでいます。」
(『嫌われる勇気』)

などなど。

言い回しは異なりますが、自分の外側で起こった事象に対して、どう受け止めるか、どのように考えるかは自分の自由である、という考え方です。
実際に起きた出来事(現実)と、それに対して自分がどう受け止めるか(認識・思考)の間には距離があり、我々は自分でどう認識するか選択できる…というような言い方がされるときもありますね。

道路の渋滞ひとつとっても、イライラすればbadな出来事になってしまうけれど、「この機会にゆっくり考えでも整理しよう」と思えればgoodな出来事になる、とか。
あとは、同僚が嫌味だからむかつくんじゃなくて、自分が嫌味と受け止めるから(それだけの劣等感を抱いているから)むかつくんだ、とか。

だから(身もふたもないけど、ざっくり言うと)「気の持ちよう」ですよー、っていうことが、自己啓発書にはよく書いてあります。そんな気がします。

(個人的には、こういう考え方に救われた部分はだいぶあります。上司が怒り散らすのは上司の反応であり、私がそれにどう反応するかは私の自由である…とか。

ただし受け入れることと拒絶することの見極めをしっかりコントロールできないと悪い方向に流れてしまいますが…)

さてそんな類書の山の中で、『ザ・ワーク』の特徴は、
①「起きていること(現実)が正しい。現実と闘う(相反する)思考は誤っている」という考え方を非常に強く打ち出していること
②「誤った考え」を手放すための具体的な方法(自問自答する「4つの質問」と「置き換え」のワーク)を提示していること
でしょうか。

②の「4つの質問」と「置き換え」のワークについては、本を読んでいただくとして…。

たとえば、
「夫はもっとダイエットすべきだ」という考えを持ち、ダイエットしない夫を見ているとイライラする、という奥さんがいたとします。
「夫はダイエットしていない」というのが本当(現実)なので、この本の考えでは「ダイエットすべきだ」という考えは「本当ではない」。
また、「夫はダイエットすべきだ」と考えないようにすれば、どんな利益があるか(イライラしないで済む)考えれば、おのずと夫にダイエットを強要する考えを手放す結論に至る…
とまぁ、こんな感じのことが書いてありました。

と、ここまで書くと、まるで私がオススメしているみたいですけれど、別にオススメしてません。こんなことが書いてあったよ、という紹介です。
逆に途中でいやになっちゃって、読むのをやめてしまったくらいです←


ざっくり言うと、この本の主張は「現実と相克する考え(たとえば、言うことを聞かない子どもに対して「言うことを聞くべきだ」と考える、など)を抱いても、
悪いことばかりで利益もないし意味ないので、手放しましょう」ということです。
確かに超合理的な考え方ですけれど、人間てもう少しウェットなものだと思いません?そんなに常に、利益と目的に対して最短距離で進むものですかね?

前提を覆す発言になりますけれど、「利益にならず、むしろ害悪になって、意味のないもの」はすべて、捨ててしまっていいものなんでしょうか。

自分に関して言えば、「そんなこと考えたって意味がない」って切り捨てていくのは、仕事の面だけで十分で、より個人的な面では、弱くて、ぐちゃぐちゃして、邪悪で、混乱した、意味のないものを、何だかんだで結局愛しているような気がしてなりません。

それが自分を人間たらしめているのであって、利益にならないとか、意味がないとか、そんな理由で取捨選択をしていくことは、人間味に欠けるような気がしてしまうのですが…
そうか、みんな人間ではなく機械を目指しているのかもしれませんね。コミュニケーション・マシーン。make the world better。

…まぁ全然支離滅裂で反論になっておりません。おそらく個人の性格の問題なのでしょう。
とにかく私はこの本が好きではありませんでした。

 

『人間は自分が考えているような人間になる』

次に読んだのはこちら。

この本は、その題名の通り、「思考が現実になる」という考え方を前提にしていて、これも自己啓発書に多く見られる考え方です。
引き寄せの法則、とか、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」とか、そうですよね。

この本には「人間は自分が考えているような人間になる」とか、「人間は人の役に立つために生きている」とか、「報酬は人に奉仕した代償である」とか、名言がたくさんちりばめられています。

受け入れがたい現実に対し折り合いをつけるというよりは果敢に立ち向かっていくための教えであり、どちらかというと『ザ・ワーク』よりもやる気の出る内容ではありました。

かといってこの本も別にオススメではありません←

翻訳もの(made in America)の自己啓発書に多く見られる欠点なんですが、冗長っていうか、経歴自慢が長いっていうか…。

あと、勝手に一部分を太字にするのをやめてほしいですよね。なんかねー、私だけかもしれないですが、「ほっとけ」って思っちゃいますね。

***

さて今日は結局、「別にオススメじゃないけど、最近読んだ本について」というなぁなぁな記事になってしまいました。
それにしても、オススメ本と同じくらい、「納得できない本」について語りたくなってしまうのは私だけでしょうか。
しかも知人(あまり読書しない)に「面白くてオススメの本の話」は世間話としてかろうじてできても、「面白くなかった納得いかない本の話」はさすがにできないので、この「話したさ」は出口を求めて右往左往するのでありました。

よくよく考えれば、さっきの本では「現実が正しく、現実と相克する思考は正しくない」と言っていて、こっちの本では「思考が現実のものになる」「思考によって運命を切り開いていく」と言っていて、いろんな考え方があって面白いですね。

とにかく人間は、受け入れがたい現実に対してどのように振る舞うかを、有史以来延々と模索してきたわけですよね。
自己啓発書・ビジネス書はいろんな人生観・世界観を直接的に教えてくれるところが面白いです。


以上はねゆきでした。