はねゆきノート

片づけノート/お仕事ノート/読書ノート/その他もろもろ

【読書】なぜ林真理子の著作を無意識に忌避してしまうのか~林真理子・見城徹『過剰な二人』~

林真理子見城徹『過剰な二人』を読みました。

過剰な二人

過剰な二人


林真理子さんの書いたものは、初めて読みました。見城徹さんの本は、前にも読んだことがあったんですけれど(『憂鬱でなければ、仕事じゃない』とか)。
もちろん林真理子という名前は聞いたことがあったし、本屋でも、ベストセラーになって平積みになっているのを何度も見かけたのですが…無意識に忌避していたように思います。

そういえば何でだろう?

というので、今回は「林真理子さんの書いたものを無意識に忌避する理由」を、印象だけで語る回となってしまいました。あくまで自分の印象(読む前に「読まない」と判断した理由)についての分析になりますので、事実と異なる点があってもご容赦ください。
…印象で語るしかないでしょ、だって読んだことないんだもの。(何じゃそりゃ)


私の中の、林真理子さんのイメージ

女同士にはヒエラルキーがある。可愛がられる女と、そうでない女がいる。男受けの良い美人がいて、そうでない自分がいる。華やかな女性がいて、野暮ったいいじめられっ子の自分がいるー…

みたいな。そんな世界観のイメージなんですよね、林真理子さんって。
女の人が、女同士のヒエラルキーやモテない女のコンプレックスについて赤裸々に書いたものっていうイメージ。

コンプレックス、劣等感があるということは、おそらく何かと比較して戦っているのだと思いますが、その「戦場」に自分(のような者)が含まれているのか、というのは当然読む前に判断しますよね。それはパラパラっと見た印象で、ですけれど。
自分もその戦場に含まれていて「同士」だと思えれば共感して買うし、「敵」だとしたら、買わないかもしれないけれどまぁ気になって買うかもしれない。逆に、含まれていないということが明白であったとしても、ちょっと面白半分で買うのかも。
でも、林真理子さんの場合、そんな戦いに含まれたくなくて関わりたくもないのに、勝手に巻き込まれている気配がするので買わない…という感じ。
大きく「女性」というくくりで書かれているので、そんな印象になってしまうのかなぁ。


勝てると思うことでしか勝負しない

たぶん人間って、勝てると思うことでしか勝負をしないじゃないですか。
私の場合、「女らしさ」では勝負をしません。男受けとか、容姿とか、女性らしさとかでは、私が勝負しても勝てないどころか人並みにすらなれないのは明白です。それなら早く勝負を降りて、勝負になりそうなもっと別のことにエネルギーを費やした方がいい。
勝負を降りるのは意外と簡単で、敗北宣言をすればいいわけです。
たとえば「女らしさ」の勝負を降りるには、「片付けられない」とか「家事ができない」とか「ファッションに疎い」とか「男ができない」「結婚なんて到底」とか、事あるごとに言って、それをネタに笑いを誘うとか。ヨソモノ感を出すとか。
口の悪い人は「同性としてありえない」とか「あの人は病気」とか言うけれど、勝負を降りて逃げを打っている人間を追撃して叩いている人間って、はたからみても見目よくありませんから、ふつうそのうちなくなります。

…というのが私の見解であります。
たまにいますよね。「わたしバカなんで」って逃げを打っている女の人。それに対して普通の人は「何でお前はそんなにバカなんだ」とは言わないでしょ。「ああ、そうなのね」か「まぁ言うほどバカでもないよね」で終了。自他の評価が一致しており、摩擦がありません。
私は「私はバカです」とは言いたくないので、バカだと思われないようにせいぜい努力します。そこには自他の評価の食い違いがあったり、劣等感があったりして、摩擦があり、おのずと熱量が生じます。そこからいいアウトプットが生まれたり、成長ができたりする。勝負を降りない、というのはそういうことではないかな、と。

林真理子さんの場合は、「女性」というくくりなので、戦場が広いし、はてしもない。その分はてしない熱量と文才が生じるのでしょうが、個人的には、降りた戦いに「女」だってだけで巻き込まれるような印象があって、面倒くさくて読みたくない、のだと思います。
もちろん林真理子さんの書いたものを「女の本音」などということには違和感しかないし、ていうか誰もそんなことは思ってないでしょ、と思う。


は。
林真理子さんの本を無意識に忌避する理由」を、長々と印象論で語ってしまいました。本の感想になっておりません(笑)

そういう意味では、

人間は、負のエネルギーを溜めなければだめだ。それが醸成されて、何かを成し遂げ、人生を豊かにできるのである。

という見城さんの言葉は、然り、と思います。勝負を降りてしまうと、劣等感すら感じなくなりますから。

で、ここまで自分の印象を分析する形で書いてきて、思ったんですけど、「本当は」林真理子さんってどんなものを書いているんだろう?
はじめて読みたくなりました(笑)

以上はねゆきでした。