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【マンガ】《第2の刃》を磨くことの大切さ~『暗殺教室』

土曜は、ほとんど部屋に引きこもって『暗殺教室』①~⑲を一気読みしていました。
面白かったですよ(*`・ω・)ゞ

暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)

暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)

さんざん流行って盛り上がって、もはや完結している作品。今更感がありますが、感想を書きます。


《勉強》をカッコよく描いた作品

あらすじは、ご存知の通り。
名門中学で落ちこぼれのレッテルを貼られ、隔離された3年E組の生徒たちの前に、触手をもった生物(殺せんせー)が現れます。彼は「1年間3年E組の担任を務めること」「1年後に地球を爆破すること」「防ぐ方法は、3年E組のメンバーが、1年の間に彼を暗殺するしかないこと」を宣言。
個性豊かな生徒たちが、殺せんせーとともに、暗殺・学業・学校行事に打ち込んでいく中で、成長していく姿を描きます。

暗殺×学園もの…という奇抜なテーマ、意外性・工夫の凝らされたページ運び、緻密に計算された設定と伏線…などなどマンガとしての完成度の高さもさることながら。
このマンガ独特のすごいところとしては、「《勉強》をすごくカッコよく描いている」ところではないでしょうか。

というのも、暗殺や訓練といったバトルシーンに負けず劣らず、試験対策や授業・勉強のシーンに紙幅が割かれていて、それがこのマンガ独特かつ楽しいところだなー、と私は思ったんですよね。というか、すごく教育にいいですよね(笑)
殺せんせーは生徒たちを暗殺者として鍛えていきますが、と同時に、勉強の重要性もすごく強調しています。


《第2の刃》を持つこと

象徴的なのが、《第2の刃》の話。
第2の刃を持たざるものに、
暗殺者の資格なし!
とかって2巻で出てきて、以降全編を通してキーワードのひとつになります。
つまり、暗殺という「第1の刃」が失敗しても人生が切り開けるように、武器になるものを複数磨いておきなさい…ということ。

また、この物語では「優れた暗殺者ほど万に通ずる」といって、オールラウンダーになることの重要性も描いているんですよね。
長所を伸ばして才能を発揮して生かす道もある。でも本当に卓越した者は、オールラウンドに何でも取り込んで、何でも出来るように努力するんだ…というメッセージ。

こういうことって、教育において本当に大切なことだと思うんです。
確かに、個性を発揮し、長所を伸ばし、必殺技を鍛えて一点突破していくヒーロー物は読んでいてスカッとします。実際の教育でも、長所を伸ばす重要性が説かれがちです。日本の教育は横並び主義だからダメなんだ…なんて議論もよく耳にしますね。

でも結局、長所の発揮・一点突破で人生切り開ける人なんてごくわずかですよね。
そのときには他の武器がなければならない。もっというなら、あまりに極端に苦手なことがあっても人生厳しくて、苦手なりに最低限の形になってないとまずい(もしくはそのカバー法を見つけてないとまずい)ってことが現実にあるじゃないですか。
もちろん個性はガンガン伸ばしていくんですが、こういうバランスを取るのも「教育」の重要な役割のひとつかなって。だから受験で選択する以外の科目もしっかり勉強しないといけないし、勉強も勉強以外のことも等しく挑戦しないといけない。

…というのも、自分が、一点突破に失敗した人間なので、その後悔もあって。一点突破を挑んで失敗したら、ほんとにアンバランスな、欠落の多い、生きづらーい人間になっちゃいますよ(笑)

とにかく《第2の刃》って考え方はほんとに大事。バランス大事。
長所・才能を伸ばして第1の刃を磨くことと、それが失敗したときのために第2第3の刃を磨いておくこと。また、苦手なことも最低限基礎は作っておくこと。そのバランス感覚が大切なのです。

いやぁこんなに《勉強すること》《学ぶこと》《教えること》の本質を捉えたマンガが、かつてジャンプにあったでしょうか。


もうひとつ引用して結びます。

そもそも人に何かを教えたいと欲する時
大きく分ければ理由は2つしかありません
自分の成功を伝えたい時か…自分の失敗を伝えたい時
これもほんとにそうだなー、と思うんです。
このマンガを読んでて、本当に、現職についてよかったと思いました。
なんだか教育欲の刺激されるマンガでした。

以上はねゆきでした。